- 【はじめに】
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サーバ、ネットワークが停止することはビジネスに深刻なダメージを与えます。
インターネットへの出口であるルータ(デフォルトゲートウェイ)を冗長化することにより、 GW障害発生時にネットワークダウンを防ぐことが出来ます。
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下記設定を行う前に、各プロバイダとのPPPoE設定が完了していることをご確認ください。
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アクティブ回線:グリーンネット
スタンバイ回線:既存のプロバイダ
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- HSRPはCiscoルータにて設定可能です。他ベンダのNW機器ではサポートされておりません。
- ホスト側ではアクティブ・スタンバイを認識する必要はありません。
- 端末のARPキャッシュには仮想MACアドレスが使用されます。
- 通常、アクティブになったルータは障害が発生しない限りそのままアクティブです。
- スタンバイグループごとに設定ができるため、VLANごとにアクティブルータを選出することも可能です。
- 【1.アクティブルータの設定】
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- はじめに、アクティブとなるルータを設定します。
- 適用するインタフェースを指定
- Router1(config)#interface vlan1
- 実IPアドレスを指定
- Router1(config-if)#ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
- スタンバイグループと仮想IPを指定
- スタンバイグループはVLANごとにまとめることも可能です。
ここで設定された「仮想IPアドレス」が端末ホスト に設定するデフォルトゲートウェイになります。
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VLAN10:スタンバイグループ10
VLAN11:スタンバイグループ11
-------------------------------- - Router1(config-if)#standby 1 ip 192.168.1.1
- インタフェースのプライオリティ値変更
- プライオリティ値が高いルータがアクティブとなります。デフォルト値は100です。 アクティブにしたいルータが高くなるように設定を行ってください。
- Router1(config-if)#standby 1 priority 150
- プリエンプト設定
- プリエンプトを設定することで、アクティブがダウンしてスタンバイに切り替わった後、 アクティブルータの回線が復旧した場合に再度アクティブを切り替えることができます。
- Router1(config-if)#standby 1 preempt
- トラッキングするインタフェースを指定
- トラッキングを設定することでPPPoEセッションを監視することができ、
トラッキング対象インタフェースがダウンするとプライオリティが下がります。
ここではダイヤルインタフェースを使用してPPPoE接続を行っているため、 実インタフェース(Fa0)とダイヤルインタフェースをトラッキングします。
下記設定の場合、Down時にプライオリティ値を60落としますのでDown時のプライオリティ値は 90になります。 従ってスタンバイルータのプライオリティ値の方が大きくなりますのでルータの 切り替えが行われます。 - Router1(config-if)#standby 1 track Dialer1 60
- Router1(config-if)#standby 1 track Fa 0 60
- 【2.スタンバイルータの設定】
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- 通常、アクティブルータがDownした場合のみスタンバイルータが使用されます。
- 適用するインタフェースを指定
- Router2(config)#interface vlan 1
- 実IPアドレスを指定
- Router2(config-if)#ip address 192.168.1.3 255.255.255.0
- スタンバイグループと仮想IPを指定
- Router2(config-if)#standby 1 ip 192.168.1.1
- プリエンプト設定
- Router2(config-if)#standby 1 preempt
- 【3.端末のゲートウェイ設定】
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- 端末側の設定はPCのデフォルトゲートウェイを仮想GWのIPに指定するだけでOKです。
ホスト側ではアクティブ・スタンバイを認識する必要はありません。
- GW : 192.168.1.1
- 以上で設定完了です。一例になりますのでお客様の環境に合わせて設定を行ってください。
- 【コマンドまとめ】
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- アクティブルータ設定
Router1> enable Router1# conf t Router1(config)# interface vlan1 Router1(config-if)# ip address 192.168.1.2 255.255.255.0 Router1(config-if)# standby 1 ip 192.168.1.1 Router1(config-if)# standby 1 priority 150 Router1(config-if)# standby 1 preempt Router1(config-if)# standby 1 track Dialer1 60 Router1(config-if)# standby 1 track Fa 0 60 Router1(config-if)# end Router1# sh standby- スタンバイルータ設定
Router2> enable Router2# conf t Router2(config)# interface vlan 1 Router2(config)# ip address 192.168.1.3 255.255.255.0 Router2(config)# standby 1 ip 192.168.1.1 Router2(config)# standby 1 preempt Router2(config-if)# end Router2# sh standby※設定後にshowコマンドにて確認を行ってください。